石川県を中心として、富山県・福井県を商圏に「非破壊検査」「構造物点検」を行なっている株式会社セイレイメンテックです。

今回は弊社において、業務の柱の一つでもある「非破壊検査」について説明いたします。

非破壊検査とは、その名の通り、対象となるものを”壊さない”で表面のきずや内部のきず、または劣化の状況について調べ出す技術のことを指します。

主に、「X線」、「超音波」、「磁気」などの性質を利用して、生活関連の製品から産業生産の施設まであらゆる「社会資本」などを破壊することなく欠陥がないか、劣化が進んでいないかなど検査します。

人間で言うと、健康診断に相当するイメージです。
英語では、Non-destructive Inspectionといい、”NDI”などと略されることもあります。

非破壊検査の原点をたどれば、1895年にレントゲンが、X線が光を通さない不透明なものでも透過する、と発見したことに始まります。
非破壊検査は、日本の重厚産業を支える鉄鋼機器の、溶接線欠陥を見つけるために発展を遂げ、現在ではあらゆる産業で使用されています。

また、時代の流れに合わせて新たな手法も、次々と開発されています。
それによって今まで検査をすることができなかった分野や、ものを対象にすることができるようになってきています。

破壊検査との違い

非破壊検査とは?

中身のある密閉容器の中に、ある塊が外観検査で分かったとき、それが内容物がゲル状になったものか、異物かは、目視では確認することは不可能です。

それが異物かどうかを判断するには、容器を切断して確認をすることで、異物かどうかの判断ができます。
これは、一種の破壊検査です。

一方、X線を透過して外観検査を行うと、X線画像として異物の形がはっきりと写し出され、異物かどうかの確認ができます。
これが、壊さないで確認をする、非破壊検査です。

なぜ壊さない?

余計な廃棄物を減らすことは、わたしたちの住むこの美しい地球や自然環境を守り、維持していく上で必要不可欠です。そのためには、工業製品や各種設備などは安全性の確認をしつつ可能な限り長期的に使用していくことで、廃棄物を減らす積み重ねにつながるのです。
また、昨今ではSDGs(持続可能な開発目標)が世界規模で掲げられており、取り組むべき指標は多くありますが、その中でも「無駄をなくそう」という働きが、国内でも多くの企業にとっての課題となっています。

そうしたことから、これからの世の中では、より非破壊検査の重要性が高まっていくことでしょう。

なぜ壊さないで状況がわかる?

例えば、人間でしたら「顔色が悪い」、「熱がある」などと健康状態の変化が、外部から読み取りやすいので、すぐに異変に気づくことができますよね。

しかし、プラスチックや金属製品などの場合は、外から見ただけではすぐに細かな表面のきずや内部の劣化などは読み取ることができません。

それ知るためには、先ほどお伝えしたような「X線」や「超音波」などの肉眼では見ることのできないエネルギーの力を借りて、それらの反応に応じて対象となるものが健康なのかどうかを確認する必要があります。

具体的には、内部のきずを調べる際は対象となるものをX線や超音波を使用して確認、表面の細かなきずを調べたい際には「浸透液」や「磁粉」を使用して数十倍から数百倍まで拡大強調をし確認します。

私たちがレントゲン撮影をして大きな病気がないか確認するのと似ていますね。

具体的な検査方法

<非破壊検査方法>

検査方法方法の概要対象備考
浸透探傷検査浸透性の良い液体を、対象となるものの表面に使用して、きずに浸透した部分を元にきずを探る。金属・プラスチック・セラミックス材料や製品浸透液を使用する
磁紛探傷検査磁気を使用して、きずなどの不連続部から漏洩する磁界に磁粉を付着させてきずを探る。強磁性材料および製品磁粉やブラックライトを使用する。
過流探傷検査交流磁場を与えた金属材料表面に生ずる、過電流を測定して、きずや材質の寸法を探る。金属材料及および製品過流探傷装置を使用
漏洩磁束探傷検査磁化された鋼材のきずなどから漏洩する磁界の強さを元にきずや寸法を探る。強磁性材料および製品漏洩磁束探傷装置を使用
放射線透過検査X線やγ線を照射して、その吸収特性の差から内部のきずや材質、寸法を探る鋼材や鉄鋼部品、構造物など一般的には撮影フィルムで判定
超音波探傷検査超音波を使用して、その反射波の強さや位置を判定して、きずの有無や寸法などを探る金属材質および製品、セラミックス、プラスチックなど超音波探傷装置を使用
電位差法 対象物に電流を流して、表面の局部的な電位差によって表面のきずを探る金属材質、カーボン最良および製品電位差測定装置を使用
赤外線サーモグラフィ法対象物の表面からの赤外線放射を取り込み、表面温度の二次元画像に変換して健全性を探る固体材質および構造物など赤外線サーモカメラを使用
目視検査人の目で表面のきずを探る 視力や経験によって結果に影響あり

非破壊検査に似ている言葉

類似している言葉もいくつか紹介しておきます。

非破壊試験 nondestructive testing JIS Z 2300 (0126)

素材や製品を破壊することなく、形状や大きさ・分布状態・存在位置などを調べる試験のことを指します。材質試験などに応用されることもあり、掘り下げていくと、「放射線透過試験」、「超音波探傷試験」、「磁紛探傷試験」などがあります。

”NDT”と略されます。

非破壊評価 nondestructive evaluation JIS Z 2300 (0127)

非破壊試験で得られた指示を、試験体の使用性能や、性質などから総合的に解析、評価することです。

”NDE”と略されます。

非破壊検査のことならセイレイメンテックにお任せください


今回お伝えした非破壊検査は、破壊検査と異なり、検査対象をきずつけずに実施するため、検査物をそのまま使用できることが大きな特徴です。

非破壊検査とは?

非破壊検査を実施することで、部品の故障や破損が原因で発生するトラブルを未然に防ぐことができます。このため、様々な工業製品で非破壊検査が実施されており、社会の安全に大きな役割を果たしています。

弊社では、主に土木構造物、プラント設備、製品検査において非破壊検査を実施しております。検査において気になることやご質問に関しましては些細なことでも、お気軽にお問い合わせください。

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